田口峠【西上州と信州をつなぐ】秘境の峠2021
こんにちは、【田口峠】群馬県道・長野県道93号下仁田臼田線(しもにたうすだせん)が、自然災害で通行止めでしたが2021年春通行止め解除になりました。今回は、大自然の秘境【田口峠】を紹介します。今年も田口峠を歩いてきました。群馬県南牧村羽沢側から行く田口峠(たぐちとうげ)を紹介していきます。
田口峠(たぐちとうげ)
田口峠は、群馬県南牧村と長野県佐久市を、繋いでいる群馬県道・長野県道93号下仁田臼田線にある峠です。内山峠の南側の長野県佐久市に位置しています。群馬側から田口峠には、南牧村羽沢羽根沢を過ぎて、勧能の93号と108号線の分岐から勧能大橋を渡って田口峠へ入って行きます。この群馬県南牧村勧能から田口峠を通り長野県佐久市臼田まで24キロ程になります。
しばらく行くと群馬県側の南牧村羽沢の田口峠への入口には【落石注意】と黄色で書かれた等身大の看板があります。落石注意の看板の前には小さな砂利のスペースがあり、馬坂川を眺めることができます。とても自然災害が多い秘境の峠で、現在群馬県南牧村から長野県佐久市に通行できる過疎地帯を越えて行く貴重な峠になっています。
田口峠は、群馬県と長野県の県境にありますが県境にはありません。
田口峠は、長野県側には千曲川の支流である雨川群馬県側には馬坂川が沿うように流れています。
そして2つの集落があり、群馬県側に広川原集落(ひろがわら)、馬坂集落(まさか)があります。数件古民家が立ち並んでいます。深い山奥にある谷合の集落が時代の懐かしさ感じさせてくれ、その景観は心を和ませてくれます。広川原と馬坂の古い町並みは、田口峠の秘境の魅力のひとつでもあります。
周辺にある峠
ぶどう峠、十石峠(じっこく)、余地峠(よちとうげ)などがありますが、現在自然災害で、すべて通行止めになっています。
田口峠は大自然の秘境にある静かな峠です。落石があることもあります。道路状況も日々変わります。注意して走行してください。
田口峠【西上州と信州をつなぐ】秘境の峠2021
群馬県と長野県【西上州と信州】つないでいる田口峠は(標高1120メートル)の位置にあります。標高1120メートルの位置には田口峠と大きな木で作られた標柱が建っています。
田口峠からは、西上州の【立岩】2つの岩峰が綺麗に見えます。広川原周辺からは、長野県側の北方向に御岳山の岩峰を見ること出来ます。目の前には霊仙峰がそびえ立っています。天候に寄っては遠くに両神山も見ることができます。
田口峠には数か所のレトロ感満点の短いトンネルがあります。時代の流れを感じさせてくれる田口峠のトンネルです。
田口峠には、175のカーブがあります。
峠(標高1120メートル程)にあるトンネルを境にして、群馬県側の峠は急カーブが続きます。長野県側の峠は緩勾配のゆるやかなカーブになっています。
田口峠ならではの独特なカーブが続きます。
田口峠ヘアピンカーブ
田口峠は、絶景を見ながら走る峠ではないですが、なんだかとても時代への移り変わりを感じさせてくれる大自然の峠です。この古道は馬や牛を連れ西上州と信州を行き来した昔の峠道の雰囲気を現代でも感じさせてくれます。太陽が当たりずらく暗い場所もありますが、深い山々に囲まれた中の大自然の峠です。
ツーリングやロードバイクの方にも好まれる独特な急カーブは、今も人気があるようです。田口峠ヘアピンカーブは群馬側にあります。41カーブ辺りから田口峠の個性的なカーブが続いて行きます。杉林に、囲まれ奥深く続いていく独特な田口峠のカーブは、秘境感に溢れた峠そのものといえるでしょう。
生い茂る杉の中に段々畑のように続いて行く悠久の年月を経たガードレールには、時代の移り行く姿を感じさせてくれます。
田口峠の薄暗さとヘアピンカーブは、田口峠の象徴ですね。
【野生動物】
道路に野生動物がいることがあります。突然鹿などが飛び出してくることがあります!
野生動物に遭遇することが多いので、ツーリングやライダーさんは注意してくださいね。突然野生動物が道路に飛び出してくることもあります。道路沿いに落石があったり、シーンと静まり返った道路に大きな物音がしたりして、山沿いを見上げてみると鹿や野生動物が走っていたりします。
田口峠周辺の滝と【氷爆】
田口峠沿いに流れている「千曲川の支流である雨川・利根川の支流である馬坂川」の水の透明度は素晴らしく青く透き通っています。
厳冬期には狭岩峡の付近の馬坂川では【でいらんぼうの滝】【仙人の滝】【不動の滝】の氷爆を見ることができます。厳しい寒さの中で氷結した美しい滝が出現します。
田口峠の群馬側周辺の南牧村には3つの滝があります。南牧村から93号線を田口峠に向かって行くと南牧村民俗資料館があります。そちらを左へ108号線方面に行くと能倉集落になります。熊倉集落に【熊倉不動滝】その奥には【大岩・碧岩(みどりいわ)】登山口から入る【三段の滝】その最も奥には【象ヶ滝】があります。
田口峠狭岩峡(たぐちとうげせばいわきょう)
田口峠に向かう峠道には、妙義荒船佐久高原国定公園「田口峠狭岩峡」があります。
狭岩峡の長野県側には、狭岩隧道があります。狭岩隧道は、30メートル程の短いトンネルです。古き良き時代のどこか懐かしさを感じさせてくれる狭岩隧道です。田口峠4号カーブを過ぎると狭岩隧道があります。
狭岩峡の道路沿いの馬坂川沿いには、狭岩峡案内看板が出ています。馬坂川渓流の狭岩峡にある奇石の中を大小の様々な美しい滝が流れています。
狭岩峡沿いの道は狭く、岩壁の狭まる間にあります。岩壁の狭まる峠道から見上げてみる狭岩峡の道にそそり立つ岩肌も中々迫力があり不思議な感覚に引き込まれます。岩壁の隙間から見あげる狭い空は、田口峠らしい空間です。
この周辺は、車での対向車とのすれ違いはとても困難です。狭岩峡の道路沿いに3台程車を止める狭いスペースがあります。
田口峠の狭岩には隣接している古道である林道大仁田狭岩があります。古い道路標識の道しるべも田口峠の秘境漂う場所のひとつを感じさせてくれますね。
田口小学校狭岩分校
田口峠には、時代が流れるのに伴って消滅した田口村がありました。
田口峠の狭岩峡には、昭和47年に、廃校になった「田口小学校狭岩分校」がありました。1911(明治44)年に開校~1972(昭和47)年に閉校になりました。赤い屋根の小さな木造二階建て校舎が残っていましたが、校舎は老朽化が進み取り壊されました。現在は、記念石碑(田口小学校狭岩分校跡)が建立されており【狭岩分校跡】を見ることが出来ます。田口峠の下段に、分校の校庭の面影が残ります。目の前に流れる馬坂川と狭岩分校跡は子供のころを思い出させるように、自然の懐に抱かれた心洗われる風景が広がります。
本校の田口小学校は、「狭岩分校」から田口峠を越え、雨川ダムを過ぎ、20キロ程の長野県佐久市田口にあります。
又田口小学校周辺には、田口峠と共に時代を刻んできた龍岡城五稜郭などの歴史が残されています。
地下湖「広川原の洞穴群」
「広川原の洞穴群」【最勝洞地下湖】は長野県天然記念物になっています。田口峠の群馬県側の広川原地区の広川原集落にあります。田口峠のゆるやかなカーブの奥に広川原集落があります。
秘境に包まれた静かな山間の集落です。
広川原の洞穴群は、広川原集落にある馬坂川を渡った禅昌寺の裏に登山道があります。
禅昌寺から山道15分程歩くと、洞穴群を見ることが出来ます。禅昌寺や登山道には、五百羅漢が並んおり心洗われる田口峠の秘境感を感じさせてくれるひとつの地です。
「最勝洞」には広川原洞穴群という多くの穴が点在しています。その洞穴で最も大きい地底湖は本穴にあります。本穴には弁天池・御渡池・桟織池3つ地底湖があります。
見ることはできませんが地下湖には「ケンミジンコ」という名の無色無眼の生物が生息しているそうです。神秘ですね。肉眼では見ることはできませんが、無色無限の微生物「ケンミジンコ」を見てみたいですね。
広川原の穴群【洞窟探索】を見るのは、洞穴なので懐中電灯があったほうが見やすいです。
2022年5月現在は、崩落個所がありますので通行止めとなっています。
広川原から先の長野県側の田口方面に「御岳山」「ローソク岩」が見えてきます。田口峠標高1100メートル程の田口峠85カーブの周辺からも左方に岩峰の景観を眺めることが出来ます。田口峠の絶景ポイントです。
雨川ダム(あめかわダム)
群馬県境に近く田口峠を水源とする「信濃川水系支流・雨川」を堰き止めって造られた雨川(あめかわ)ダムがあります。田口峠の150カーブの辺から左方向に雨川ダム湖が見えてきます。この150カーブを過ぎた周辺が、雨川ダム湖の景観を見るのに良いポジションです。
155カーブには、峠沿いに小さなスペースがあり、雨川ダムの案内看板があります。季節に寄っては、このスペースからは、木々が生い茂り雨川ダムは見づらい状況になります。
雨川ダムは、昭和49年11月に完成した貯水量約80万立方メートルで水深は、深いところで28メートルです。ダムを造るときにこの地に住んでいた13戸は移転しました。
雨川ダム湖の周辺は、木々の覆われ大自然の秘境の中にある雰囲気を感じさせてくれます。信州の山々に囲まれた雨川ダム湖は、山深い静けさの中神秘的な美しさを見せてくれます。峠道にある小さなスペースから眺めることができます。雨川ダム湖を過ぎた先には、長野県佐久市田口町の田園風景が心を和ませてくれます。
日本で海から一番遠い地
田口峠146カーブには、「海から一番遠い地点」へ行くことが出来る入口があります。所在地は日本海・太平洋から直線で114キロ余りの位置にある長野県臼田大字田口榊山209-1です。
海から一番遠い地点「榊山県境尾根」
日本で海から一番遠い地点は、長野県佐久市と群馬県南牧村にある県境尾根です。田口峠の長野県側の146カーブに海から一番遠い地点の「県境尾根」への登山道入口があります。
海岸線まで約115km(114.853キロ)の地点の「雨川ダム」の南東約2.2 キロの榊山尾根の辺りにあります。標高約1200メートルの榊山山頂の途中にあり、榊山尾根筋には三角点があります。
海から一番遠い場所なんてなんだかロマンを感じますね。
田口峠にあるこの場所が1996年9月に発見される前は、北海道石狩山地内で、108.2キロだったそうです。
展望はありませんが雑木林の中に白い標柱があり「日本で海岸線から一番遠い地点」と赤い文字で記してあります。
「あなたは日本で海岸線から一番遠い地点へ到達したことを認定いたします」と地点の位置を記載された日本で一番海から遠い地点到達認定証を発行してくれます。日本で海岸線から一番遠い地点(標柱)に立ち到達写真を撮ってくださいね。佐久市観光協会臼田支部に郵送すると証明書を発行してくれます。
田口峠から小さな橋を渡ると「日本で海から一番遠い地点」へのゲートがあり榊山尾根まで行くことが出来ます。
秘境とロマンを感じさせてくれる田口峠です。
榊神社
田口峠には、風情溢れた「さかきばし」があります。見落としてしまいそうなとても小さな橋ですが、榊神社の前にかかっています。この橋も田口峠の秘境感を深く感じさせてくれる橋です。なぜかとても落ち着きます。不思議ですね。
田口峠には、海から一番遠い地点がある榊山の榊神社があります。とても静かな榊山山麓にあり耳を澄ますと雨川の流れる音と風の音がだけ聞こえてくるそんな場所に鎮座しています。
海から一番遠い地点と一緒に立ち寄ってみてくださいね。鳥居をくぐり石碑の奥は、とても綺麗な雨川が流れています。田口峠の鳥居の右脇にある草むらから雨川に降りることが出来ます。田口峠榊山山麓の秘境に包まれて雨川の水に触れてみてください。
田口峠にある【登山口】
田口峠には3つの登山口があります。
荒船山・兜岩山・御岳
荒船山(経塚山)・兜岩山・御岳山
田口峠には荒船山(経塚山)・兜岩山・御岳山の登山口があります。この登山道は南牧村星尾峠にもつながっています。登山口には山名案内標識は立っていません。田口峠にあるトンネルをくぐるとすぐ右側にあります。目印は【林道星尾線】と黄色道路標識がありますので、そこが林道星尾線になり登山口になります。兜岩山山頂からの展望はありません。山頂から少し先西側に展望があります。八ヶ岳・浅間山を眺めることができます。
榊山(さかきやま)【海から一番遠い地点】
榊山(標高1,257メートル)
田口峠には、榊山登山口があります。榊山尾根には【海から一番遠い地点】があります。榊山尾根の標高約1200mの位置にあります。海岸線まで約115kmの地点です。榊山山頂は、この地点から先にあります。滝ヶ沢林道から入り、沢筋を登っていきます。倒木があったり登山道は荒れています。海から一番遠い地点の榊山尾根までは4キロ程です。榊山山頂までは、6キロ程のルートです。
田口峠から榊山への登山ルートは2つあります。この「林道」ルートが一般的でありますが、ルートファインディングできれば「榊山尾根ルート」から榊山ピークへ登頂することができます。ピストンだと「海から一番遠い地点」は、踏めませんが周遊の場合は踏むことができます。
田口峠沿いの左側に小さなスペースに榊神社があり鳥居の奥に祠があります。榊神社周辺では透き通った綺麗な水が流れている雨川を近くで見ることができます。
霊仙峰(れいぜんほう)
霊仙峰(標高1,269メートル)
尾根から入る登山口です。登山道はありません。急斜面の尾根を登るルートファインディング(るーとふぁいんでぃんぐ)出来る上級者の方におススメです。野生動物に会うことが多いルートです。山頂には木に、霊仙峰と小さな木札の標識目印があります。パノラマビューではありません。浅間山や日本百名山の両神山などが木立の合間から見えます。
まとめ
田口峠【西上州と信州をつなぐ】秘境の峠2021はいかがでしたか。
田口峠は西上州と信州をつなぐ長野県佐久市にある大自然の山深き地にある静かな秘境の峠です。私は【峠越え】をするので、群馬県や長野県から田口峠を、30キロ~50キロ歩いて峠越えをします。テントを担いで歩いているとライダーさんに声をかけられたりします。ツーリングにもおススメです。通行止め解除になりましたが、大自然の中の田口峠はいつ通行止めになるかわかりません。是非田口峠の大自然を感じてみてください。テントを担いで歩いているのを見かけたら声をかけてください。
御荷鉾スーパー林道【西上州の絶景林道】通行止め解除!2021夏