鹿岳【一ノ岳・二ノ岳】西上州の山
群馬県甘楽郡南牧村と下仁田町の境に位置するお山です。西上州・鹿岳(かなたけ)標高1015メートルを紹介します。
鹿岳【一ノ岳・二ノ岳】西上州の山
群馬県の西部に位置する西上州鹿岳(かなたけ)は、一ノ岳・二ノ岳と2つの峰をもつお山です。迫力ある2つの岩峰の先には三ノ岳もあります。「ぐんま百名山」「関東百名山」「日本百低山」でもあります。岩山が好きな方にとてもおススメです。
鹿岳登山口
【鹿岳登山口アクセス】
鹿岳登山口は、南牧村にあります。下仁田上野線「45号線」を、南牧村方面に向かいます。
南牧村に入って2分程走ると、南牧村の道の駅「オアシスなんもく」の手前の小沢地区に小沢橋という赤い橋があります。この小沢橋を右折して南牧川を渡っていきます。小沢橋の手前に、「よろづや」さんという小さなお店がありますので目印にしてください。よろづやさんを過ぎるとすぐ右側に、赤い小沢橋があります。
赤い橋を渡ったら左折して「黒滝山小沢線」の202号線を直進していきます。大塩沢の熊野神社・住吉の滝を通り過ぎますと202号線の途中に「大塩沢消防詰所」黒滝山への分岐があります。
左折で、黒滝山方面ですので曲がらず右方向へ直進していきます。鹿岳登山口まで、直進していくというイメージです。
「南牧村大塩沢集落」を抜けて大塩沢川に沿って下高原方面に走っていきます。向かって行く大塩沢の集落の途中から前方に、鹿岳の岩峰が見えてきます。
鹿岳登山口は、南牧村大塩沢の集落の奥にあります。登山口になっている「鹿岳登山口」と「大久保登山口」の両方には無料駐車場があります。
最初に、右側に四ツ又山・鹿岳登山口【大久保登山口】が出てきます。登山口案内看板を、右折して細い坂道を登ると突き当ります。突き当りの手前左側に、車を止める小さなスペースがあります。駐車場に入るのに道が細く少し傾斜があります。右側の斜面に落ちないように注意してくださいね。こちらは大久保沢「滝坂の滝」への入口にもなっています。
このスペースは、村の方が貸してくださっている私有地になります。もし周辺に村の方がいらっしゃった時は声をかけてみてくださいね。
満車の場合は少し歩きますが、この先の鹿岳登山口に止めることができます。
鹿岳登山口は、この大久保登山口の先にあります。大久保登山口をそのまま通りこして行きます。対向車とすれ違いが出来ない狭い箇所もあります。しばらく走ると左側に、鹿岳駐車場があります。道路から駐車場に入るのに段差がありますので気おつけてくださいね。駐車場には簡易トイレがあります。
鹿岳駐車場から大塩沢沿いを、遡るように、5分程道路を歩いて行きますと右側に鹿岳登山口があります。古民家の右脇から登山道に入ります。
その先には、木々岩峠登山口があります。鹿岳は現在「鹿岳登山口」「大久保登山口」「木々岩峠登山口」3つの登山口があります。
南牧村では登山届けは、鹿岳に限らず、すべて道の駅「オアシスなんもく」に出します。トイレの入口の周辺の自動販売機の横に、木箱のポストがあります。木箱に登山届用紙が備え付けられています。24時間いつでも登山届を出すことができます。
鹿岳【木々岩ルート】
南牧村大塩沢にある鹿岳登山口3つの中の一番奥地にあるのが木々岩峠登山口です。木々岩峠登山口は林道高原線にありますので、林道高原線に入っていきます。
林道高原線を車で5分程走ると右側に、鹿岳木々岩峠登山口があります。登山口の反対側の大塩沢川沿いに車を止めるスペースがあります。
木々岩峠ルートからは、資材置場から作業道に入り雑木林を歩いていきます。
三ノ岳取付点~高原降下点経由で、鹿岳二ノ岳に入ります。高原降下点から鹿岳二ノ岳に入るまでのルート上には急斜面のルンゼや数ヶ所の難所があります。三ノ岳経由は、一本岩を見ることが出来ます。
2021年秋の現在は木々岩峠のルートは、難度も高く岩場の斜面も荒れています。登山ルートは、自己責任で選択してください。
鹿岳
ここでは、鹿岳の私の好きなルートをご紹介していきます。
西上州鹿岳には4つ程の登山ルートがあります。このルートを基本に縦走やピストンなどの自身の体力にあった登山ルートを選択していきます。
- 大久保登山口から入り、四ツ又山の4つのピークを踏んでから鹿岳へ縦走していくルート
- 大久保登山口から、四ツ又山を経由せずマメガタ峠から鹿岳に入り、ピストン又は鹿岳登山口へ下山ルート
- 鹿岳登山口から鹿岳に、最短で登るルート(一般)
- 上高原木々岩峠から鹿岳三ノ岳~鹿岳二ノ岳~一ノ岳に入るルート(技術必要)
鹿岳おススメルート
【四ツ又山~鹿岳縦走ルート】
四ツ又山から景色を見ながら鹿岳一ノ岳~二ノ岳と縦走していきます。
四ツ又山(標高899メートル)は、4つの岩峰の山頂がある「ぐんま百名山」の信仰のお山です。「下仁田富士」とも呼んでいます。写真左側に見える四ツ又山から右側の迫力ある一ノ岳を縦走して二ノ岳の絶景ポイントを目指していくおススメルートです。一番体力が必要ですが鹿岳を堪能できる素晴らしいルートです。
目指す鹿岳を、色々な角度から眺めながら歩けるルートです。距離は「6キロ程」のルートですが、アップダウンがたくさんあります。体力が必要ですが、是非青空の天候の良い日に歩いてみてください。鹿岳には、はしご場・くさり場・ロープ場・岩場などがありますので、手袋を忘れずに用意していくと便利です。鹿岳一ノ岳はくさり場はありません。
四ツ又から鹿岳の縦走ルートは「大久保登山口」のこちらから入ります。登山道の途中には水場があります。
体力などが心配な方は「鹿岳登山口」からのルートがおススメです。鹿岳登山口から、一ノ岳・二ノ岳コルまでの登山道には展望はありません。
又鹿岳登山口から入った場合コルまでアップダウンはありません。どちらの登山道も急斜面が多いですが、どちらから入っても鹿岳のコルで合流します。
四ツ又山の登山口の「大久保登山口」から入り、滝坂を歩いていきます。20分程歩いて行くと、マメガタ峠と四ツ又山分岐点があります。分岐点を右方面へ進んでいきます。天狗峠→四ツ又山(4つのピーク)→マメガタ峠と歩いて行きます。こちらの分岐点を左方面に行くと、四ツ又山を経由せずマメガタ峠にでることができます。
天狗峠には、天狗石像や石碑が祀られています。天狗峠から天狗石像を過ぎた辺りから急斜面になっていきます。
四ツ又山では4つのピークをアップダウンしながら景色を楽しむことが出来ます。ラクダのコブのような4つの山頂からは、それぞれの風景が楽しめます。4つのピークには、石像や石祠が祀られています。
四ツ又山から鹿岳に行くには、一度ダウンします。ダウンすると【大久保登山口】分岐点がありますので、左側に行くと【大久保登山口】に戻ります。そのまま通過してマメガタ峠~鹿岳を目指していきます。
四ツ又山を一度ダウンして、マメガタ峠から鹿岳の急斜面を登って行きます。マメガタ峠の雑林を歩き鹿岳のコルを目指していきます。マメガタ峠から鹿岳へ向かう途中の右側には小高い岩場があり見晴台があります。見晴台は、大木に「見晴し台」と白文字で、プラスチックプレートがくくりつけてありますのですぐわかります。
マメガタ峠を進んでいくと、前方にカッコいい迫力満点の鹿岳が見えてきます。
四ツ又山から鹿岳を縦走するルート上では、絶景を見ながら色々な表情をした鹿岳を楽しめます。
マメガタ峠から、鹿岳のコルにあがる直前の岩場周辺には、補助ロープが備え付けられています。
マメガタ峠から、コルに登り上げると鹿岳一ノ岳・鹿岳二ノ岳の分岐点にでます。マメガタ峠を背後に、左が一ノ岳、右が二ノ岳です。
コルの分岐点から鹿岳一ノ岳と鹿岳二ノ岳の2つの岩峰を目指していきます。どちらからでも登ることができますが、一ノ岳は、急斜面ですが岩場や崖を登ることはないので、二ノ岳より難度は低いです。一ノ岳の方から登るのがおススメです。コルからの展望はありません。
鹿岳一ノ岳
コルから2つの岩峰のひとつ「鹿岳一ノ岳」へ行くには、尾根から短い小さなはしごを登り山の斜面を登って行きます。こちらのはしご場から右へ補助ロープ使い降りていくと、高原の鹿岳登山口に下山することが出来ます。
コルから急斜面になっていますが、春にはひとつばな(アカヤシオ)がとても綺麗に咲く群生地があります。ひとつばなは南牧村のシンボルのお花です。春には、南牧村の険しい岩峰の山々を、ピンク色に染めます。
一ノ岳はコルから、はしご場を登ります。はしご場を登った先の斜面には、補助ロープが備え付けられています。
コルからハシゴ場を登っていくと斜面の途中の背後に二ノ岳が見えます。鹿岳一ノ岳山頂の手前に、小さなスペースがあり、迫力ある二ノ岳と遠くに荒船山を見渡せます。
冬の鹿岳の山頂からは、雪化粧をした荒船山の綺麗な姿を見ることができます。一ノ岳山頂の岩場には、摩利支天が祀られています。摩利支天から左方面の南側の展望が良くとても魅力的な景観です。
鹿岳二ノ岳
一ノ岳からコルの反対方面が、二ノ岳です。
コルをしばらく行くと、広がった山道の先には、二ノ岳の岩場に登って行くはしご場が出てきます。最初にこのはしご場を登りますが、朽ちてないか確認してくださいね。ハシゴを登り切った先の岩場にはくさり場があります。
ハシゴ場を登ると鹿岳二ノ岳岩場が出てきます。岩場は、滑りやすいの注意してくださいね。
くさり場を登り切ると、一気に視界が開けていきます。先ほど登った一ノ岳が左側に、どーんと見えてきます。そして広大な空の下を登って行きますと、二ノ岳山頂になります。
二ノ岳山頂の登頂すると山頂標識の奥に、浅間山の雄大な姿が視界に入ってきます。冬の時期には雪の美しい浅間山のロケーションを見ることが出来ます。絶景パノラマビューの鹿岳二ノ岳になります。
二ノ岳山頂から、一ノ岳に登っている方を見ることができますので「こんにちはー」「大丈夫ですかー」と叫ぶと「こんにちはー」「大丈夫ですー」と叫び返してくれたりします。山の中で叫んでも恥ずかしくないから大丈夫です。普段できない人こそ是非絶景の中で声をかけてみてください。
そんな小さなことでもとても気持ち良いものです。
是非見知らぬ人でも鹿岳二ノ岳から声をかけてみてくださいね。安全登山に繋がります。
二ノ岳から眺める鹿岳一ノ岳や四ツ又山の4つのピークの稜線が綺麗に見渡すことができます。
浅間山、妙義山、榛名山、二ノ岳山頂からの西上州の山々の大展望が待ってます。天候に恵まれれば八ヶ岳連峰の南八ヶ岳、赤岳、横岳、硫黄岳も見ることもできます。鹿岳をたくさん満喫したら、そのまま元気に下山していきましょうね。
三ノ岳は二ノ岳山頂から、木々岩峠ルートに向かうルンゼ先の岩稜周辺の岩場になります。いわゆる破線です。
三ノ岳に進んでいくと鹿岳二ノ岳を近くに見上げることができます。三ノ岳からそのまま進んでいくと高原下降点(マーキングあり)を通過して、木々岩峠登山口に下山することが出来ます。
地図には三ノ岳の名称はありませんが、マル秘ポイントの岩場であります。
鹿岳絶景ポイント
二ノ岳山頂の左奥には、絶景岩場があります。
いつもここでのんびりと「絶景鹿岳カフェ」しています。
二ノ岳山頂から左奥に行くと、鹿岳絶景ポイン岩場が見えてきます。
岩場を登る感じですが、注意して登れば簡単に登ることができます。鹿岳山頂から「5分程です」そちらの岩場が鹿岳のおススメ絶景ポイントです。もし初めての鹿岳で不安でしたらザックデポしてでも、是非行ってみてください。仲間がいたならば、二ノ岳山頂から写真を撮ってもらったらとても素敵なフォットになります。頑張って登った鹿岳登頂の記念写真にもなりますね。
もし誰もいなければ、絶景ポイントの岩場に、横になり両手を広げ、大の字になって空を見上げるのもおススメです。とても登山達成感を味わえる岩山です。ソロ登山の方は是非やってみてください。ソロ登山の「特権」あなたが主役です。この鹿岳の絶景はあなたのものです。鹿岳絶景ポイントでお好きなポーズで決めてみてください。たくさんの元気パワーをもらって下山したときは心も体もキラキラに輝いています。
この場所で食べる山ごはんは、最高の御馳走です。鹿岳の絶景のポイント岩場です。
鹿岳ビューポイント
木々岩峠登山口周辺の大塩沢の奥地は、鹿岳ビューポイントです。西側からの鹿岳の景観が見られます。
高原運動広場(野球グランド)があり「おしん淵の滝」もありますのでお時間がある方は、鹿岳を眺めたり、自然の中でのんびりと滝もご覧になってみてくださいね。
おしんの淵の滝は、落差10メートル程の小さな滝です。水量少なめですが、大塩沢にひっそりと静かに流れています。広場から左手に入り、木の階段を降りて沢沿いに歩き10分程で見ることができます。
まとめ
鹿岳【一ノ岳・二ノ岳】西上州の山はいかがでしたか。
西上州の鹿岳は急斜面あり、はしご場あり、くさり場ありのバラエティー溢れているお山です。とても素敵な景色をみることができます。鹿岳は危険個所も多いですが、岩山に登るということは、どんな山でも危険個所だらけです。注意しながら是非登ってみてくださいね。クライミングや岩山が好きな方には、とてもおススメの岩峰です。南牧村の大塩沢川もとても綺麗なので見てみてくださいね。