蝉の渓谷「水流の癒し」群馬の秘境を紹介していきます。
蝉の渓谷「水流の癒し」群馬の秘境
群馬県南牧村は、群馬の西に位置している大自然豊かな村で、山々に囲まれ村の中心を南牧川が流れています。滝の宝庫でもあり、様々な滝と渓谷があります。
その中でも蝉の渓谷は、西上州の奥座敷である南牧川の上流域にあり、南牧村の象徴でもあります。
蝉の渓谷は、南牧村に位置するひとぼし山と三ツ岩岳の山間部に位置しており、その渓谷美と水流にはとても癒されます。心やすらぐ群馬の秘境地です。
蝉の渓谷とは
南牧川の急流に浸食され、長い年月をかけて、水流が創りあげた美しい渓谷です。
蝉の渓谷は群馬県指定天然記念物及び名勝です。
蝉の渓谷は、群馬県指定天然記念物及び名勝です。
せり出した両岸の下側は、南牧川の急流に浸食され、水流が創りあげた美しい渓谷になっています。渓谷の岩壁は衝撃に弱く砕けやすい岩石で、南牧川の急激な水流や洪水で川床を転がった石が、長い年月をかけて大自然の法則で築き上げられている大自然の神秘です。
道の駅から車で10分程
南牧村の道の駅「オアシスなんもく」から車で10分程のところに位置しており、南牧川の急激な水流と美しい渓谷を見ることが出来ます。
蝉の渓谷見どころ
蝉の渓谷では、南牧川の急流で創られた浸食や渓谷を流れる独特な水流が見どころのひとつです。
急流の浸食
蝉の渓谷の岩壁を作る岩石は、秩父層群のチャートであり、硬質の珪酸分に富んだ堆積岩でできています。
南牧川の急流が岩肌を侵食して、素晴らしい渓谷美を造り上げています。蝉橋から見る両岸の狭まった渓谷の眺め、遊歩道の芭蕉橋から四季折々のゴルジュの眺めの美しさは見事なものです。
水流の美しさ
南牧川の急激な水流が蝉の渓谷に流れ込んでいく様子は、吸い込まれていくかのような美しい景観を楽しませてくれます。渓谷を流れる激しい水流が流れ込んでいく青みががった水の綺麗さにも見惚れてしまいます。
四季折々の渓谷美
南牧村の山々に囲まれた蝉の渓谷周辺では、春には新緑、秋には紅葉と四季折々の自然の渓谷美が見られます。西上州の冬は、積雪は少ない地域ですが、その冬景色も魅力的です。紅葉は、毎年11月中旬~上旬頃が見頃です。
蝉の渓谷・俳聖 松尾芭蕉
蝉の渓谷遊歩道内には、昭和53年南牧村指定名勝の蝉の渕付芭蕉塚があります。
紅葉石の句碑
旅に生きた標泊の詩人・俳聖 松尾芭蕉の渓谷にのぞんで俳聖「閑(しずか)さや岩にしみいる蝉の声」の句碑が名石の紅葉石にきざまれ建立されています。紅葉石の句碑は1773年に、蝉の渓谷地内の砥沢字に立てられています。
群馬県を代表する優れた景観
蝉の渓谷に望んで、【奥の細道】に、一句が残っていることから群馬県南牧村の地にある蝉の渓谷は、群馬県を代表する優れた景観であると言われています。
石像群
蝉の渓谷の道路沿反対側には、歴史の流れを感じさせるかのように「石像群」が並んでいます。
一体一体の古代の石像群も蝉の渓谷とセットで見どころです。
雁能岩不動滝
蝉の渓谷石像群の脇には、女坂があり【雁能岩不動滝】への道があります。けもの道のような山の斜面を登って、斜面を登った先の岩肌の空洞の上に、水量は少なめですが静かに流れ落ちる小さな雁能岩不動滝があります。蝉の渓谷の遊歩道から登ることができる男坂もあります。
蝉の渓谷にある2つの道
女坂・石像群の脇の斜面の山道を登る
男坂・遊歩道からの斜面の山道を登る
雁能岩不動滝に行くには、蝉の渓谷にある2つの道のどちらかを登ります。
蝉の渓谷遊歩道
蝉の渓谷には、1周300メートル(10分)程の遊歩道があります。
1周300メートルの遊歩道
急斜面などはなく渓谷を眺めることができ、運動靴でも軽装でもお散歩感覚で、のんびりと自然を満喫できるゆるやかな遊歩道です。
蝉の渓谷の遊歩道は、駐車場から道路を渡った東屋の脇から入ることができます。
土日祭日などはツーリングやライダーさんが多いので、駐車場から遊歩道へ道路を横断するとき注意してくださいね。
東屋の脇を入るとその先には、小さな橋がでてきます。
つくばね群生地と馬酔木
遊歩道にはつくばね群生地や馬酔木(あせび)があり、シーズンには、つくばねや馬酔木の綺麗な花が遊歩道を彩ります。馬酔木の花言葉は「献身」「純粋な心」「あなたと二人で旅をしましょう」だそうですよ。
馬酔木を、過ぎると左側に階段がでてきます。こちらの階段を登った先には、芭蕉塚の句碑があります。
芭蕉橋【吊り橋】
つくばね群生地や馬酔木を過ぎて、緩やかな斜面の山道や数段の階段を降りていくと、前方に吊り橋【芭蕉橋】が見えてきます。
芭蕉橋は、遊歩道唯一の景観スポット
遊歩道にかかる吊り橋【芭蕉橋】からは、両岸の岩山が急激に迫る景観と南牧川の急激の水流が作り出す美しい景観美を眺めることができる遊歩道唯一のスポットです。蝉の渓谷のゴルジュの風景を眺めることができ、水流に癒されながら周遊ができます。
芭蕉橋から眺める渓谷は、流れていく南牧川の急激な水流の下流も眺めることができ、南牧川にかかる蝉橋の風情溢れた雰囲気を楽しませてくれます。
両岸の岩山が急激に迫る景観と南牧川の急激の水流が作り出す渓谷を、1周300メートル程の短い距離ですが、天気が良い日には、木漏れ日の中を歩くことができ、のんびりと深呼吸したくなる遊歩道です。
芭蕉橋周辺は、戦国時代~江戸時代に街道として使用されていた南牧村赤岩集落への古道がありました。
群馬県西上州の南牧村奥地にある蝉の渓谷の遊歩道は、水流の音を聞きながら森林浴で癒されます。
蝉橋
蝉の渓谷にかかった【蝉橋】があります。蝉橋の上からも美しい蝉の渓谷美が眺めることができます。とても秘境感溢れている景観美です。
蝉の渓谷に流れ込む水流を見ていると心がやすらぎ穏やかな時間が流れます。
蝉の渓谷遊歩道周遊や蝉橋や駐車場、蝉の渓谷旧道、道路脇からと色々な角度から渓谷を楽しむことが出来ます。南牧川にかかる蝉橋の周辺を探索しながら素晴らしい岩壁の展望を見渡すことが出来ます。
蝉の渓谷旧街道【古道】
蝉橋には、蝉の渓谷旧街道(大正~昭和初期)の古道が一部残されています。
蝉橋の六車寄りにある南牧川の標識の手前から入る山沿いの斜面下に残されている渓谷沿い旧街道(古道)からも変わった角度からの蝉の渓谷美が見られます。蝉の渓谷旧街道は、草むらになっていて歩きづらいかもしれませんが100メートル程です。渓谷を見ながら歩く足元には、小さなお花が咲いていたりします。
蝉の渓谷駐車場
蝉の渓谷には、道路沿いに駐車場が完備されています。蝉の渓谷の道路沿いの駐車場(7台程)には、木のベンチがあり、空いていれば一息つき渓谷を眺めながら、座ってのんびりできます。ベンチに座って、蝉の渓谷を眺めながらコーヒーやお茶を飲んだりしてる方を見かけます。
駐車場からも、渓谷の上流から蝉の渓谷に流れていく激しい水流の景観が楽しめます。また道路沿いを南牧川に沿って砥沢方面の上流へ歩いてみるのも中々気持ちが良いものです。上流に歩いて行くととてもかわいらしい蝉の渓谷の手書きの案内標識が左にあります。なんとなく癒されてしまう手書きの看板です。その先もとても美しい南牧川が続いて行きます。
蝉の渓谷駐車場から見る南牧川の上流方面の景色も魅力的です。勢いよく水が渓谷に流れ込んでいます。その水流を見てるだけで、とても心がやすらぎます。
バリアフリートイレ
駐車場から道路を渡り「蝉の渓谷遊歩道」入口には、トイレが完備されています。
平成16年に設置されたトイレです。365日24時間使用できます。ベビーベット・ベビーチェアー・ユニバーサルシート・洗面台も完備してあります。手すり・緊急呼び出しボタンもついてます。
バリアフリーのトイレもありますので助かりますね。蝉の渓谷のトイレは、優しさを感じさせてくれる女性にもうれしいトイレです。
ドライブの途中に立ち寄って、気軽に南牧川を見て疲れも癒せて気分転換もできますね。トイレの脇に東屋もあるので一息つくこともできます。
蝉の渓谷「沢登り」
南牧川上流域にある蝉の渓谷では【沢登り】もできます。アクティビティですね。
蝉の渓谷で「沢登り」をするには?
【芭蕉橋】からゴルジュに入渓できます。93号線を背に、吊り橋【芭蕉橋】を渡るとすぐ右側に、南牧川の蝉の渓谷へ降りられる斜面があります。
蝉の渓谷の沢登りは、遊歩道である芭蕉橋から斜面を降りていきます。
【芭蕉橋】から山の斜面を降りますと、蝉の渓谷のゴルジュ蝉渕の入口の岸へ降りることが出来ます。わかりにくいですが斜面をよく見ると踏み後を確認することができます。けもの道のような山道がありますので落ち着いて探してみてくださいね。こちらの山道の踏み後をたどり蝉の渓谷のゴルジュの蝉渕へ降りていきます。
山の斜面を降りますと蝉の渓谷ゴルジュの手前の南牧川の川岸に荷物を置くことが出来ます。とても滑りやすいので注意してくださいね。
蝉の渓谷から、美しい南牧川の水流が流れていきます。
渓谷ゴルジュへ降りていきながら山の斜面からは遊歩道にある【芭蕉橋】が見えます。芭蕉橋の下に見える岩壁の隙間が蝉の渓谷に続いて行くゴルジュです。斜面を降りていくと蝉の渓谷入口の蝉渕がありその先は切り立った渓谷が続いて行きます。
この蝉渕からゴルジュ蝉の渓谷を沢登りをしていきます。
蝉の渓谷の南牧川の水流は急流です。蝉渕は足がつかない深さにあり体力が必要です。渓谷の中の水の中を泳いだり、渓谷をトラバースしたりしながら沢を登って行きます。蝉の渓谷の駐車場右脇にエスケープルート(岩場)あります。
沢登りに必要な装備も必要です。蝉の渓谷の立ちはだかった岩肌の狭間の沢登りは200メートル程の短い渓谷ではありますが、岩肌は険しくホールドも乏しく南牧川の激流の中、足のつかない深さや滝を登ったりしながら渡って行きます。
南牧川上流の水流は強いので、蝉の渓谷の強い水流の中でも前に進むことが困難な場所もあります。水流の音も激しく岩肌に響き渡り、ダイナミックな沢登りになってます。
登山や沢登りは、冒険的な楽しみがたくさんありますね。
蝉の渓谷ゴルジュでは、水流の急激な南牧川を流れる岩肌に水音を立てて流れます。
「蝉の声」と俳聖 松尾芭蕉の一句のように
夏のセミが合唱して鳴いているかのように、南牧川の水流音が「蝉の渓谷・ゴルジュ」に響き渡ります。
ゴルジュでは、強い水流に巻き込まれないように注意が必要です。ゴルジュからの蝉の渓谷の眺めも見どころのひとつです。ゴルジュ突破した先の切り立った岩肌を見ることができるのも蝉の渓谷の沢登りの魅力でもあります。
蝉の渓谷「川遊び」
蝉の渓谷の近くの南牧川上流域で【川遊び】がしてみたいですよね。
蝉の渓谷で「川遊び」するには?
南牧川上流域の水遊びしてみたいですよね。蝉の渓谷からすぐ近くで綺麗な水で川遊びができます。真夏でもとてもお水は冷たいです。元気に泳ぐ川魚と出会えたりします。
南牧村砥沢「蝉の渓谷」から5分程のところに南牧村六車(むくるま)という場所があり道路沿いには、「六車公衆トイレ」があります。六車公衆トイレの前には駐車場がありますので空いていれば、無料で車を止めることが出来ます。そこから南牧川の河原へ降りることができます。
蝉の渓谷の周辺のとても綺麗な南牧川の川遊びができます。流れてくる南牧川上流域の綺麗な水で川遊びを楽しむことができます。透きとおった水の中を元気に泳ぐ魚に出会えます。
南牧村の南牧川の上流に位置してる「蝉の渓谷」は夏でも水は冷たく大自然のパワーあふれる渓谷です。南牧川は、村の中央を東に流れ「鏑川~利根川」へと合流していきます。
【注】2021年10月現在は、自然災害のため川へは立入禁止になってます。
橋を渡り、川向うにある「さわやかホーム」側から南牧川に降りることができます。車では入っていけませんので、歩いて行くのをおススメします。最新情報を確認してくださいね。トイレは使用できます。
まとめ
蝉の渓谷「水流の癒し」群馬の秘境はいかがでしたか。
群馬県甘楽郡南牧村の上州でも自然豊かな西上州に位置する蝉の渓谷は静かで美しい渓谷です。群馬でも西の奥地にあり、大自然の山々である岩峰に囲まれた西上州南牧村ならではの自然を感じることが出来ます。
秋の紅葉シーズンは、渓谷周辺一面の見事な紅葉に彩られ景観美には圧倒されます。沢登りをチャレンジできたり、ゆっくりとリラックスしながら遊歩道を歩いたり、それぞれの楽しみ方ができる大自然の宝庫です。南牧村周辺にはたくさんの秘境がありますのでお時間があったら立ち寄ってみてくださいね。