立岩【西上州の山】群馬
群馬県南牧村の位置にある西上州立岩は「上州のドロミテ」ともいわれる岩峰です。北に荒船山、南に碧岩大岩、東には毛無岩があり、南牧村の西に位置する2峰をもつ岩山です。立岩には、西立岩(標高1265メートル)と東立岩(標高1011メートル)があります。西上州立岩を紹介していきます。
立岩【西上州の山】群馬
【立岩登山口アクセス】
立岩登山口は、南牧村資料館から4キロ程の位置にあります。
群馬県南牧村のある線ヶ滝を目指していきます。線ヶ滝の先に立岩登山口があります。この登山口は荒船山登山口のひとつにもなっています。
201号星尾羽沢線を南牧村星尾にある線ヶ滝方面へ向かいます。立岩の登山口へ向かう途中の星尾集落にある諏訪神社の隣にとても綺麗なトイレが建てられました。南牧村の奥地まで、特に遠方からや女性の方は大変ですね。立岩登山口までのアプローチ中に、女性の方も安心して使用できます。まだできたばかりの新しい公衆トイレです。立岩には、登山口にも登山道にもトイレはありませんので、貴重なトイレです。
201号星尾羽沢線を走っていくと前方に、目指す立岩が見えてきます。2つの連なる岩峰は、左が立岩、右が東立岩です。星尾集落を走りながら、立岩の全容が眺められます。
立岩登山口に向かう途中には「星尾大橋」「立岩橋」「線ヶ滝橋」と南牧川支流の星尾川にかかる橋を渡っていきます。南牧村の秘境感漂う3つの南牧村星尾ブリッジを渡っていきます。
3つ目の橋の線ヶ滝橋を渡ってしばらくいくと、線ヶ滝入口の案看板内が左側にでてきます。そのまま線ヶ滝を過ぎるとすぐ突き当たりになります。
立岩登山口は南牧村星尾の最奥地の201号星尾羽沢線の突き当りにあります。
突き当左側に駐車場があり右脇にある登山口から星尾川を渡渉して、登山道に入っていきます。前日に天候に寄って星尾川の水流は変化します。水流が多いときは、水の中を歩くこともあるかもしれません。
線ヶ滝
立岩登山口の目印のもなっている線ヶ滝は、落差黒灰色の断崖を白い一筋の線を描くようになめらかに、落下している落差35メートルの滝です。お仙伝説があり別名を仙ヶ滝とも言います。
南牧村の数ある滝の中で天然記念物及び名勝 になっている滝です。道路沿いには、大日如来の像が建っており、滝の入口には、線ヶ滝守り観音が祀られています。
「来る人も、又来る人も、休んで聞くや、滝の音」と石碑があります。
南牧村の三名瀑のひとつ「線ヶ滝」は、以前は鉄階段で、滝つぼまで降りることが出来ましたが、現在は自然災害のため滝つぼには、降りることはできません。
道路沿いから数分降りた途中の階段の手前から、眺めることができる滝です。静寂の中、星尾川で、耳を澄まして、滝の音を聞けば心落ち着くことができますね。立岩登山口のシンボル的になっている線ヶ滝は、365日水量が豊富で、いつきても水は途絶えることがなく岩肌からまっすぐに流れ落ちています。
立岩登山前後に、気軽に立ち寄ってみることができる滝です。リラックスできますので是非立ち寄ってみてくださいね。
立岩【西立岩】
立岩(西立岩)は、立岩の西側に位置している岩峰です。山頂には、立岩と西立岩の両方の山頂標識が備えられています。
西上州立岩は、ボランティアの方々で管理されているので、植林帯の山道になっている岩壁までの登山道は歩きやすい方です。昔は、補助くさりなどはなかったので、現在は立岩も登りやすくなっています。秋から冬の時期は、落ち葉や残雪でスリップダウンしやすいので注意してくださいね。
登山口から星尾川を渡ると、登山者守り地蔵があります。守り地蔵のすぐ先に、荒船山との分岐がでてきますので右方向へ星尾川を渡渉していきます。渡渉する星尾川の先には、立岩の案内標識が見えます。渡渉した先からは山道を登って行きます。
登山道をしばらく登って行くと「直登ルート」「一般ルート」の分岐が出てきます。
一般登山道は、立岩(西立岩)山頂まで3キロ程のルートになります。
直登ルートは、立岩(西立岩)山頂まで1.8キロ程のルートになります。
立岩直登
今回は立岩「直登ルート」を紹介してきます。
登山道直登りルートから立岩のコルを目指します。最初は山道を登って行きます。立岩岩壁が見える周辺からは、最初に長い補助ロープ場が備え付けられている斜面を登っていきます。登ってからしばらく進んでいくと、正面に岩壁がでてきます。その岩壁の左方にルンゼが見えてきます。岩壁には、マーキングがあります。初めての方は、岩壁の右方面の山の斜面に踏み後がありますので、迷いがちですが、そちらではありません。岩壁に突き当たったら左のルンゼに進んでいきます。
ルンゼには20メートル程のくさり場がありますので、この斜面を登っていきます。
ルンゼのくさり場は、安定しないガレ場になっており、くさりに囚われていると落石に気づかない場面もありますので注意してくださいね。とても足場は悪いです。足を動かすたびに、落石があるような場所です。くさりも使用しない方が楽に攀登できる箇所もあったりしますので、現状を確認してみてくださいね。登っていくとルンゼから右方向にくさり場が繋がっていきますが、状況に応じて正面の岩を攀登るほうが楽な場合もあります。私はいつもその時の状況を確認して判断しています。
ルンゼのくさり場を登りきると立岩への入口の岩壁が出てきます。冬季の雪山の時は立岩の入口周辺の岩壁に、真っ白な白銀の中に氷爆ができます。立岩のコルへは、この右側にある岩壁を登って行きます。
ルンゼを登っていくと右側の岩壁に入る入口に、赤文字で立岩入口と書いてある白いプレートがあります。現在は朽ちて文字は薄く消えて見えませんが、立岩岩壁のマーキングです。
立岩の岩壁の狭い岩稜のくさり場を左岩壁に重心を置き登り上げていきます。
岩壁を登ったら、コル手前の右側は斜面になっていますので左側の岩壁に沿ってトラバースしていきます。
登りきると立岩のコルに出ますので立岩は左へ向かって行きます。コルの右方面は立岩東峰です。コルから左方面の立岩西峰を目指していきます。しばらくアップダウンしながら山道を歩きます。山道の途中にはやせ尾根があります。立岩までの急斜面には、補助ロープが数ヵ所備えつけられています。
立岩の山頂付近のロープ場を登り上げると岩稜帯に出ます。この岩稜帯に出ると一気に視界が開けます。岩稜帯のには、鉄杭が打ち付けてありますが、細く滑りやすいので注意してくださいね。岩稜帯を立岩ピーク目指して渡り歩いて行きますと途中に木仏が出てきます。木仏の先が立岩山頂になります。立岩山頂には、手つかずの大自然の西上州にはめずらしい貴重なベンチがあります。西立岩と立岩と書かれた2つの山頂標識があります。広くはないですが、岩稜帯の崖のようなピークではありません。緊張感ほどける一息つける空間です。
立岩の山頂から先へ進んだ場合一般ルートでの下山になります。一般ルートには、威怒牟幾不動(いぬむきふどう)の分岐があります。下山しながら威怒牟幾不動(いぬむきふどう)に立ち寄ることができます。水場や東屋があります。時代の流れを感じさせてくれる1983年(昭和58年)あかぎ国体に設置されたベンチがあります。
威怒牟幾不動(いぬむきふどう)の滝の裏側の岩肌の間に、災害で荒れ果ててしまった社に石仏があります。とてもミステリ感ある岩壁です。これも南牧村の秘境の中にそびえたつ立岩山麓ならではありのままの大自然です。本尊は、立岩までの通り道にある南牧村星尾の吉祥寺に安置されています。
立岩山頂からは浅間山、荒船山、経塚山、両神山、遠くに八ケ岳などの絶景が広がります。
毎年春には、険しい立岩の岩肌には、純白のアオダモの花やヤマフジが咲きます。 秋の紅葉時期には素晴らしい華やかな色どりを見せてくれます。厳冬季の雪の中の気温が低い中に見ることが出来る岩壁の樹氷の姿など険しい岩肌を四季折々で厳しく優しく色々な表情を見せてくれます。
東立岩
東立岩には、ルートはありませんが、踏み後はあります。落ち着いて確認すれば見つけることが出来ます。季節や天候に寄っては、踏み後は確認できません。又トラバースできる岩稜帯もあります。
ルートファインディングできましたら是非おススメです。立岩のコルから右方向から入り山の斜面を登って行きます。
立岩コルから東立岩を目指し斜面を登っていきますと大きな岩峰に突き当たります。そこを左に巻いて、左の岩場の斜面を登っていきます。道はありませんので、現状を確認しながら、注意して行くことをおススメします。岩稜帯や季節に寄っては藪の中の斜面を登っていきます。どのお山でも共通して言えることですが、滑落原因のひとつとなる、近くにある枯れ木は掴まないでくださいね。
あまり藪がひどいと方向を失いそうな場面もありますので、周囲は崖ですので、無理をせずしっかりと安全確保してください。
東立岩山頂は狭くグーリーンシーズンは、木々が生い茂りあまり景色はよくありません。山頂一角からは北方面の山並が見られます。
山頂の目印は、とても小さな木のプレートが、「東立岩1011メートル」とくくりつけられています。木のプレートは朽ちているので読めないかもしれませんがなんとなくわかると思います。これも西上州ならでは大自然の雰囲気を感じさせてくれます。
東立岩山頂から北西方面の岩稜帯の岩場が絶景スポットです。立岩や毛無岩の絶景が見られます。
東立岩の絶景スポットの岩場から見る立岩は迫力満点です。立岩の岩峰をすぐ目の前に見られます。立岩のピークも確認することが出来ます。
冬の立岩・雪山
厳冬期の冬山の雪山での立岩は、くさり場のくさりは、ほとんどが凍結するため使用できない箇所が多いので、ピッケルなどがあると便利です。雪積でルートや岩稜帯などの地形も全く見えなくなります。
白銀の雪山立岩山頂の風景も素晴らしい絶景が広がります。四季折々の立岩の2峰から見る景色はとても魅力的です。
まとめ
立岩【西上州の山】群馬はいかがでしたか。
群馬県南牧村の奥地にある「西上州・立岩」は、2峰からの景色はとても素晴らしいです。岩山は、緊張する場面が多いですが、下山するまで安全登山を目指して、素晴らしい感動を体験してみてくださいね。西上州は、ほとんどが手つかずの大自然の山です。自然災害も多く険しい岩山や道などない荒れているのが普通の環境の中にあります。その中からたくさんの感情が生まれ経験したことのない学びを得ることができます。大自然の中の山を無理をせず楽しんでください。