東峰村「美しきやすらぎの村」九州の秘境
日本には数多くの秘境がありますが、そのなかでも福岡県にある「東峰村(とうほうむら)」は日本で最も美しい村だとして、高く評価されている場所でもあります。近頃は観光地としても訪れる人が増えていますが、東峰村とはどんな場所なのか、ご紹介していきたいと思います。
東峰村とは
福岡県の中心部にありと大分県の日田市との県境に位置している東峰村は、平成17年に合併して生まれた場所になります。もともとは、旧小石原村と旧宝珠山村になり、両方の特徴や魅力をそのまま生かしつつ、一つの村にしました。福岡市からも車で1時間程度の場所にある、美しい景色が堪能できる、癒しスポットとしても高く評価されています。東峰村の86%は山林や原野などの自然に溢れており、豊かな水源にも恵まれています。段々と広がる棚田などあたり一面が美しい緑で広がる景色は、東峰村だからこそ眺めることのできる場所です。また、住んでいる村の人たちも優しく温かい人ばかりです。
東峰村の魅力とは
東峰村は、日本の数ある村のなかでも自然の美しさだけでない魅力がたくさんあります。
秘境としても知られている東峰村の魅力を紹介します。
棚田が美しい
日本の棚田百選にも選ばれたことのある、東峰村ですが、約400年もの歴史のある石積みのものです。合計400枚にもなる広大な土地に広がる光景は、まさに圧巻です。谷間にあるわずかな空間を、いかに農地として使うかを考え、先人の知恵を持って作られた、努力の結晶でもあるのです。田植えが終わる5月の末には、棚田に水を張るため、夕日が映る絶景も楽しめます。季節によって変化していく棚田の姿を眺められるのも東峰村の良さです。
陶器の村としても有名
東峰村は、陶器の文化が有名な場所でもあります。現在も40箇所以上になる窯元があり、たくさんの職人さんがいます。これは小石原焼きと呼ばれる手法になり、櫛目や飛び鉋などの独自の技法があり、伝統が受け継がれています。どれも素朴で温かみのある作品が多く、窯元によってもテイストが違うのも面白いところです。形にとらわれすぎない多様性が、小石原焼きの特徴ともいえます。職人さんに話を聞いて決めるのもおすすめです。
パワースポットがある
東峰村には、天からの贈り物として授かった「宝珠石」を祀ったパワースポットがあります。もともと岩屋神社は、中国から渡来した善正しが修行場を開いた場所として知られています。空から振ってきた宝珠石をご神体としており、現在は国の重要文化財にも登録されています。大きな岩を使った自然のままの景色も絶景ですが、その時の季節にとって変わる植物や花々を眺められるのも、このパワースポットならではです。村野人にとっても古くから受け継がれてきたものになり、とても大切なものです。熊野神社など、山頂の窟の中にある神社も、天狗が蹴って穴を空けたとも言われ、荘厳な雰囲気に包まれた場所です。岩屋神社では、例年3月には、福岡県の天然記念物に指定されている大ツバキと玄海ツツジは、美しい姿を見せてくれます。
栗木野橋梁・宝珠山橋梁(めがね橋)
東峰村宝珠山にある2つの巨大な多連アーチ橋の栗木野橋梁(金剛野橋)と宝珠山橋梁(奈良尾橋)のめがね橋は、日本の美しい鉄道と言われています。東峰村の四季折々の姿を見せてくれる美しい風景にひとつです。大自然の秘境の地で山々に包まれ見上げる空と橋は心安らぎますね。
岩屋湧水
「平成の名水百選」の岩屋湧水があります。釈迦岳のトンネルの掘削の際に湧き出た湧水だそうです。筑前岩屋駅の横に水源があり、連日たくさんの人が訪れているそうです。駐車場もあり30リットル100円で汲めます。タンクを持参してくださいね。
宝珠山駅
東峰村宝珠山駅(ほうしゅやまえき)は、九州で唯一ホームが県境をまたいでいる駅です。大分県と福岡県の県境にあり、県境線は、小石原焼の陶板で作られています。伝統的ある陶器の村の象徴ですね。
イベントも目白押し
東峰村は年間を通してたくさんのイベントが行われています。4月に始まる「岩屋まつり」をはじめ、5月「小石原焼民陶むら祭」、6月の「ほたる祭」「竹棚田の火祭り」など、棚田や周辺の自然を活かしたイベントが数多く開催されています。「民陶むら祭」は、春と秋の両方で行われるイベントになり、小石原地区でも最大の陶芸祭になります。
まとめ
東峰村「美しきやすらぎの村」九州の秘境はいかがでしたか。
東峰村は、昔ながらの田風景や自然の美しさ、陶芸などの伝統を今に伝える福岡県の秘境です。季節によっても眺められる景色の違いもとても美しく、何度も訪れたくなります。また、夏には蛍を見ることもできるなど、水のきれいな地域ならではのイベントもあります。東峰村は、のんびりとした時間の流れを感じることができる癒しとやすらぎのスポットです。